Go to トラベルキャンペーンがスタートして暫く経ちました。
コロナ禍の中で、なぜ旅行・観光なのかとお感じになった方は多いでしょう。単に感染が拡大するだけなのではないかと。
私も最初の第一印象は「なんで旅行・観光なんだ」と思いました。他に何かあるだろうと。
しかし、Go to トラベルキャンペーンは、そこそこ意味はあるのではないかと近時は考え直しています。
まず、何といっても新型コロナ感染症拡大がもたらしたのは、消費の低迷です。
その消費というのは「人の移動を伴うモノ」というところがポイントです。要は「外出しないと人はあまり消費をしない」のです。
外食や宿泊はその最たる例でしょう。映画館、ゴルフ等もそうです。
この「家の外での消費」を喚起しなければ、日本経済はボロボロになってしまうことは明白です。
そしてGo to トラベルキャンペーンの面白いところは以下の図表を見ると分かります。
(出所 ジャパン・ホテル・リート投資法人「2020年12月期 (第21期) 中間決算資料」)
2019年の日本国民による海外旅行消費は4.8兆円でした。
一方で、訪日外国人による国内旅行消費も4.8兆円でした。
すなわち、日本人が昨年海外旅行で使っていたおカネを、国内旅行に振り向けると、いわゆるインバウンド消費がかなりカバーできることになります。
もう経済はかなり限界が近くなってきているものと思います。
これからは、日本国民一人ひとりが消費していかなければ、経済は回りません。コロナ感染症で亡くなる方以上に、経済的苦境でマイナスの影響を受ける方は多くなるでしょう。
経済だけで考えるならば、Go to トラベルキャンペーンは、実は悪くないように思うのです。