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映画「星の王子ニューヨークへ行く」を想う

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星の王子ニューヨークへ行く」というタイトルの映画をご存知でしょうか。

今となっては「星の王子」「ニューヨークへ行く」というキーワードは古く感じるかもしれません。

原題は「Coming to America」なので、こちらの方がシンプルではあります。この当時は、今よりも原題と邦題が異なっていた映画が多かった時期のように思います(これはこれで味があって良かったですが)。

原題と邦題が異なる有名な映画としては、ウーピー・ゴールドバーグが主演した「天使にラブソングを」が挙げられます。この映画の原題は「SISTER’S ACT」です。シスターと聞いて「妹」しか思い浮かべない(?)日本人にとってみれば、原題は分かりづらかったかもしれません。

また、アナと雪の女王の原題は「Frozen」ですから、これも全く異なります。

・・・話が逸れました。

この「星の王子ニューヨークへ行く」という映画は、アメリカという国を如実に表していたように思います。

いわゆるアフリカという発展途上国の王子様(但し、黒人)が王妃探しにアメリカに来て、様々なトラブルに巻き込まれるという、ありがちなストーリーです。内容的には、今だと許されないぐらいアフリカの国を誤解した表現・演出もあります。それでも当時は何の問題もなく、受け入れられていました。

主演は、コメディの帝王「エディ・マーフィ」です。

何度見ても、面白く、アメリカにあこがれすら抱かせてくれました。

この映画を思い返す度に私が思うことは、日本人はアメリカが好きだった(今も好きかもしれませんが)ということです。

ハンバーガー、摩天楼、アメリカンドリーム、ラップ、R&B、白人、黒人、等々。

アメリカには全てがありました。

英語なんて聞き取れず、もちろんしゃべれませんでしたが、映画を通して見るアメリカは強者であり、成功者にとっての楽園であり、失敗者にとっての地獄でした。

アメリカはハリウッド映画を通じて、世界各国に自国をアピールしました。それは、アメリカという国の光と影の「光」だけの部分だったかもしれません。しかし、直接の情報を得にくい時代では、それを純粋に信じてしまっていたように思います。

アメリカという(恐らく)幻想を見せ、それに純粋に世界中が憧れた、そんな時代を代表する映画が「星の王子ニューヨークへ行く」のような気がしてなりません。

でも、また見たくなる、そんな映画です。