人口動態統計速報を見るとコロナ期間中の動きが少しだけ見えてきます。
人口動態統計は、出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の各事象について各種届出書等から人口動態調査票が市区町村で作成され、これを厚生省が収集し集計したものです。
最も直近の2020年4月分では、コロナ期間中に以下のような特徴的な動きがあります。
- 離婚件数が16,493件となり、前年同月比▲4,568件、▲21.7%と大幅減になっていること。
- 2020年1〜4月までの累計では、 離婚件数は73,461件となり、前年同期比▲4.174件、▲5.4%であることからコロナによる緊急事態宣言が出されてから、離婚申請が急減していること
- 「コロナ離婚」といったニュースも出ていたが、実際はコロナ期間中は離婚も自粛となっていた可能性があること
- 一方で婚姻は、2020年4月単月では37,913件、前年同月比+289件と小幅増にとどまっているが2020年1〜4月の累計では193,179件、前年同期比+14,124件、+7.9%となっておりコロナはむしろ婚姻を促進している可能性があること
尚、2019年5月〜2020年4月の一年間で見た場合には、出生数897,687件に対して、 死亡は1,383,473件であり、自然増減は▲485,786件となっています。
50万人が年間で減少するということは、大分市、東大阪市、倉敷市、金沢市、松戸市、市川市など、かなり大きな都市が年間で一つ消滅していることになります。
これは、長崎市、藤沢市、豊田市、高松市、柏市、横須賀市のような都市の人口を上回る人口減です。 人口減のスピードがどれほど大きなものか、考えてみると恐ろしくなります。
少子高齢化、人口減少社会というのは、遠い未来ではなく、今、目の前で起きていることなのです。