利子と利息という言葉があります。
「今は銀行に定期預金で預けても雀の涙の『利息』しかつかない」というように使いますが、利子と利息を使い分けている人はいるでしょうか。
この両者の定義を少し調べてみましょう。
<利子>
債券は、利率や償還期日などが決められて発行される。債券を保有すると額面金額に対しての利率分を定期的に受け取ることができる。そのことを利子または利金ともいう。
たとえば、額面金額が100万円の債券の利率が2%の場合は、利子の額は年2万円となる。
なお、預貯金から生じる利息のことを利子という場合もある。
(出所:野村証券Webサイト)
では利息はどうでしょうか。
<利息>
金銭などの使用の対価として、金額と期間とに比例して一定の割合(利率)で支払われる金銭その他の代替物。利子。
(出所:デジタル大辞泉)
以上の説明では、利子も利息も、いずれもほとんど違いが無いように思えます。世の中一般では、この取り扱いで問題ないでしょう。しかし、銀行実務では少し違ってきます。
利子、利息の使い分けについては、じぶん銀行が自社サイトで以下のように説明しています。
<利子>
お金を借りる側が、貸した側に元本に追加して支払うお金のことをさします。利子は、貸し借りした金額に金利をかけて計算されます。<利息>
お金を貸した側が、元本に追加して受け取るお金のことをさします。
これらの用語を使い分けるポイントは、割合と金額であると言えます。「利回り」と「金利」は割合をさす言葉で、「利子」と「利息」は金額をさす言葉と覚えておくといいでしょう。
(出所:じぶん銀行Webサイト)
この定義であれば非常に分かりやすく利子、利息が区別できるのではないでしょうか。
利子は「借りる側が貸した側に払う金額」、利息は「貸した側が借りる側から受け取る金額」ということです。
尚、銀行実務では、利子という言葉はほとんど使いません。利息という用語を使います。
これは慣習的な由来もあるでしょうが、法律に合わせているものと思います。
利息制限法では利子という言葉は出てきません。全て利息で統一されています。
一方で税金関係では利子という用語が使われています。所得税法を確認すれば一目瞭然です。