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なぜ小売業は2月決算が多いのか

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日本の企業は3月決算先が多いことは皆さんご存知でしょう。

上場企業では約66%が3月決算先です。

一方、上場企業のうち2月決算先は約6%程度です。

この2月決算先は、小売業が多いのが特徴となります。

事例を挙げるならば、以下の企業は2月決算先です。

このように小売業に2月決算が多いのは、なぜでしょうか。

ご承知の方もいらっしゃるでしょうが、2月決算というのは非常に合理的なのです。

決算というのは、実際に商品が手元にあるか等の棚卸を実施する必要があります。決算作業のために店舗の在庫を確認するのは、当然ながら店舗のスタッフです。そうなると、必然的に店頭の繁忙期は決算月としては回避されます。

年を通じて消費活動が一番盛り上がるのは、やはりお中元、お歳暮の時期です。

まず6月と12月には、ボーナスが支給されます。

冬物や夏物衣料、季節の変わり目の食材、贈り物など、年間で最も消費活動が活発になるのが12~1月の年末年始、次いで6~7月のお中元から夏休みシーズンにかけてと言われています。

そして、3月には卒業式、4月には入学式・入社式、5月はゴールデンウィーク、9月は多くの企業の中間決算、10月は行楽のシーズン、等々と考えていくと、小売業界の場合、年度を通してできるだけ手のすいた時期は2月と8月となります。

2月と8月は気候的にも寒暖のピークを迎え、外出するのが嫌になる時期なのです。

消費者の買い物に対するテンションが下がる2月と8月に、個人消費関連企業の売り上げが落ちる現象は「ニッパチ」と呼ばれています。

ニッパチに決算を行うのは小売業にとっては有効な業務平準化対策なのです。 

決算月一つとっても、歴史には何らかの理由があったりします。

そこが面白いところだなと思う今日この頃です。