銀行業界全体の資産と負債のバランスはどのようになっているかご存知でしょうか。
以下は非常に簡単な日本の国内銀行のバランスシートです。
(出所 日本銀行Webサイト)
これを見ると、銀行は国内店で譲渡性預金も含めて845兆円の預金を受け入れています。加えて、89兆円の借用金も集めています。
その預金・借用金を使って、531兆円の貸出を行っています。
預金・借用金と貸出の差は、208兆円を有価証券投資、249兆円を現金預け金として主に日本銀行へ預けています。
国内の総資産ベースで見ると、銀行の国内店においては、貸出金は資産の45.5%に過ぎません。有価証券が17.8%で現金預け金が21.4%もあります。
どんなに金融緩和しても、貸出に回るというよりは、日銀に預けられているというのが今の日本なのです。
なお、海外店の場合は、預金88兆円に対して、貸出が82兆円となっています。預金とのバランスでいけば海外はビジネスモデルとしてバランスが良いと言えるでしょう。
日本には資金需要がありません。
正確に言えば、日本では、政府が大幅に資金不足であり、個人と企業は総体で見ると資金が余剰になっていると言えるでしょう。マクロで見ると銀行のビジネスは非常に難しいことが分かるのです。