日本銀行(日銀)138年の歴史で、初めて女性の理事(いわゆる役員)が誕生するそうです。
日銀、138年の歴史で初の女性理事
2020年5月12日 CNN
東京(CNN Business)日本銀行の役員にあたる理事に138年の歴史で初めて女性が就任する。清水季子(ときこ)氏(55)が任命された。
清水氏は1987年に日銀に入行。金融市場や外国為替などの分野をへて、欧州統括役ロンドン事務所長なども務めた。
日銀によれば、日銀の従業員に占める女性の割合は47%。しかし、管理職に占める女性の割合は約13%にとどまっている。
日本銀行には最高意思決定機関として政策委員会が設置されているが、9人で構成される同委員会でも女性は1人にとどまっている。日銀はまた、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と違い、女性がトップに就いたことはない。
過去10年にわたって、人口統計学上の課題や高等教育を受ける女性の人数の増加などによって男性が多数を占める日本の経営構造にもゆっくりと変化が訪れている。
世界銀行の2018年のデータによれば日本の人口に占める女性の割合は51%だが、世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダーギャップ指数」によれば、日本は153カ国のうち121位に位置している。
私は、ここで男女平等がどうとか、ジェンダーギャップがどうだとか言いたい訳ではありません。
ここで思い出すのは、 東京医科大が、女子受験生の入試結果を減点して、女子の合格者数を3割以下に抑えていた「事件」です。東京医科大は、女性は結婚や出産で職場を離れるケースが多いこと、体力面や長時間労働に耐えられないことなど、すなわち将来の働き手として男性の方が良いという価値判断を理由に挙げていました。
「入り口」での性差による差別は医学部入学に限らず、企業の採用でも男女比を調整する手法が横行しているとされています。「女子フィルター」と言われるものです。
いずれも、純粋に優秀な人材を合格・採用等すると、女性が多くなってしまうというものです。
女性は、いざ働くとなると、出産や長時間労働で「長らく勤めることが出来ない」ので、組織としては合格・採用を回避するというのが理屈のようです。これは、今でも年齢の高い方は理解を示す可能性すらあります。
しかし、考えてみてください。
出産で職場を離れることの何が悪いのか、なぜ人間らしい生活を送ろうとするとダメなのか、仕事優先の生活が当たり前なのは正しいのか、長時間労働しないと成り立たない仕事・組織は健全なのか、疑問に思わないでしょうか。
私はこの10年ぐらいでやっとおかしいと思うようになりました。(それまでは長時間労働当たり前、死ぬまで仕事をやれ、としか考えていないアホでした)
男性と女性の差という観点だと、体力だけは男性の方がありそうです。
でも、思い出してください。
幼稚園や小学生、当然大学生になっても、社会人になっても、男性はアホ(失礼)で、女性は優秀だと思ったことがないでしょうか。
男性がどうだ、女性がどうだ、ではないのです。
優秀な人が活躍できる世の中ならばそれで良いのです。
年齢も関係ないのです。高年齢だから偉い訳でもないのです。
フラットな世の中にしていきたいと思う、そんな「日銀138年の歴史で初の女性理事誕生」のニュースでした。