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SBI証券は野村證券をまだまだ抜けないという現実

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SBIが証券事業の口座数で業界ガリバーの野村證券の口座数を抜いた模様です。

SBI北尾社長、証券口座数「野村を抜いたと思う」
2020/04/28 日経新聞

 SBIホールディングス(8473)の北尾吉孝社長は28日、都内で開いた2020年3月期(前期)の決算説明会で、傘下のSBI証券など証券関連事業の3月末時点の口座数について「野村ホールディングス(8604)傘下の野村証券を抜いたと思っている」と述べた。野村証券の口座数の発表はまだないと前置きした上で、両社の伸び率の差から判断したと説明した。

 SBIの証券関連事業の口座数(SBI証券とSBIネオモバイル証券の合計)は3月末時点で542万8000口座にのぼる。

これは歴史的なことであることに間違いありません。

口座数では以下のような状況になります。ネット証券は2020年3月末です。

対して大手証券会社の口座数は以下の通りです。

これだけ見ると、ついにネット証券の時代が来たように感じられるでしょう。

しかし、以下の預かり資産額(2020年3月末)を見てください。

これに対して、野村證券の預かり資産額は、顧客資産残高は122.3兆円(2019年12月末)です。桁が一つ異なります。

SBI証券は口座数で野村證券を抜いたかもしれませんが、預かり資産では、ガリバーに全くかないません。

まだまだ、日本の「金持ち」は野村證券が抱え込んでいるのです。

富裕層である高齢者が死去し、相続が起こるようなれば、若年層顧客が多いであろうネット証券に預かり資産が大きく移動していく可能性はありますが、残念ながらこれが現実でもあります。

野村證券のような大手証券は、法人取引に強く、そこから派生する取引で、個人顧客、特に富裕層に様々なメリットをもたらすことができます。

SBI証券が業界首位になるためには、手数料だけではない顧客へのメリットを出さなければならないのでしょう。

 

ちなみに、私は大学生の時に初めて口座を開いたのが野村證券でした。ネット証券がなかった頃で、僅かなお金で株の取引をしました。今では信じられないほど手数料が高かったのを明確に記憶しています。

電話で注文を受けて下さる方は、結構年配の男性の声だったような記憶がありますが、お金の無い貧乏学生にも応対はしてくれました。でも、その電話が申し訳なくて(また、社員さんがちょっと面倒そうで)嫌だったのを覚えています。

そう考えるとネット証券は本当に便利です。注文の時の不快な気持ちを感じなくて良いのですから。

ということで、貧乏人である私は、ネット証券を応援しています。