銀行員はお嫌いですか

緩く、弛く、ゆるく

コロナ禍の中、パチンコ店に並んでいる人は正常かもしれない

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コロナ禍の中でもパチンコ店が混雑していると報道されています。

ゴルフ練習場も銀行の店頭も混んでいます。

この事象は何を意味しているのでしょうか。

これを正常性バイアスが表れた実例と見るのが正しいのではないでしょうか。特にウィルスは、その怖さが見えないだけに、正常性バイアスが働きやすいのでしょう。

正常性バイアス(せいじょうせいバイアス、英: Normalcy bias)とは、認知バイアスの一種。社会心理学災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う。

(出所 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)

言うなれば、コロナ禍の中、パチンコ店に並んでいる人、混雑な中で遊んでいる人は、「狂っている」訳ではなのです。

正常性バイアスは、何か起こるたびに反応していると精神的に疲れてしまうので、ストレスを回避するために自然と脳が働き、心の平安を守る作用です。

「異常な」環境下で、日常と同じようなことをやってしまうことは、むしろ人間らしいと言えるのではないでしょうか。

このような人間のクセ・特性は、金融取引においても見られるものではあります。

「人間は必ずしも合理的な行動をするわけではない」ことを前提にしている行動経済学では、消費者が意思決定を行う際に生ずる、規則性のある判断の偏り(バイアス)を「行動バイアス」と呼んでいます。

この中の代表例である「近視眼的行動」は、住宅ローンやクレジットカードの利用など、資金の借入時に生じるとされています。

例えば、米国のサブプライム住宅ローン問題で脚光を浴びた「借入当初2年間の支払い金利だけが異常に低い」30年物の住宅ローンは、目先の低金利につられやすい個人の行動バイアスが利用された典型と言えます。

また、米国などでは消費者がクレジットカードのリボルビング払いを利用する際に、元利払い最小化のための合理的な返済方法を検討しないまま「近視眼的行動」に陥り、請求書に記載された最低支払額のみを支払い続けてしまうケースが問題視されています。

日本でも「毎月一定の支払額」でリボルビング払いを使えますが、気づけばリボルビング(=借入額)残高が増加し続けていた事例は多数あります。

リボルビング払いは、結果として返済負担額が増加し、多重債務に陥るリスクが高まってしまいます。これは人間のクセを利用したものであり、金融機関から借金漬けにされるようなものです。

人間は、思いのほか、合理的ではなく、目先の利益に飛びついてしまうのです。

コロナ禍の中、パチンコ店に並ぶ個人も、リスクを過小評価し、正常性バイアスに影響され、さらに目先の楽しさを求めて近視眼的行動を取っているのかもしれません。

いずれにしろ、人のクセなのであり、ある意味で自然とも言えるのです。(ちょっと論理が無理やり過ぎるでしょうか)

 

ちなみに、私の場合、行動経済学を学ぶのに最高だと思えた書籍は以下でした。他にも行動経済学の本は読んだのですが、この2冊が本当におすすめです。少し古いですけど。